「何も考えずに「当たり前」ばかりをやっている学校教育が、自分の頭で考えずに、何でも人の制にする大人をつくる。
学校の「当たり前」をやめた。
部活、長時間拘束、いじめ、非行、授業のあり方など中学校での問題が話題にならない日はありません。
問題としてあがっても、それらに対して具体的な策がありませんでした。
私が地域の教育に携わって、今年で26年たちます。
何か問題があっても後手後手で、なおかつ教師が問題から逃げてしまい、こちらが乗り出さざるを得ないことも多いです。
たとえば、「生徒自身が自発的に勉強する」には、目的意識だけではだめで、具体的な行動を提示してあげることが必要です。
スローガンはあってもいみがあいまいで生徒には浸透していないので絵に描いた餅になっています。
また、手段や行動だけを強化すると、行動だけに力を入れるようになります。
部活の長時間練習や大量の宿題が一例です。
矛盾していますが、学校ではそこがおろそかになっているようです。
学校の「当たり前」をやめた。 ― 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革 ―
この本は、著者の工藤勇一氏が2013年に東京都立麹町中学校の校長になってからの改革を具体的に書いたものです。
麹町中学校は名門中学校。改革はさぞかし大変だっただろうと思います。
改革のキーポイントは以下の3つです。
①校内を目的と手段の観点からスクラップする
宿題の廃止、固定担任制の廃止、定期テストの廃止、手段の目的化をやめる
②地域や外部と連携する
服装規定はPTAが中心てなる、外部企業と連携し社会で役立つ答えのない課題に取り組む、大学などと提携した麹中アフタースクール
③今までの当たり前を徹底的に見直す
校内での課題をリスト化して解決、学校に悲して保護者や地域住民が当事者意識をもって取り組んでもらう、教員の意識改革と効率化
これらの一つひとつにどのようにして改革していったのか、対立を強力に変えていった方法が書かれています。
学校といういちばん変化しにくい組織を劇的に改革していった手腕は役立ちます。
まず、「はじめに」をじっくり読むことをお勧めします。
「なぜ学校改革が必要だったのか。」が書いてあります。
このような学校改革が全国に広まっていけばいいですね。