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インターネット・ゲーム依存症  ネトゲからスマホまで

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保護者からの相談で多いのが、「スマホの使い過ぎ」の問題です。ネットゲームも一時期の専用機ではなくスマホでが大半のため、使用目的はネットゲームとSNSです。

わたしたちは一日当たり平均150回スマホのチェックをしており、それは、主にSNSのチェックだそうです。動作として問題だけではなく、思考が途切れることが150回あることが問題ですね。

しかし、もっと重大な問題をはらんでいました。「依存症の問題」です。

 インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで (文春新書)


【 目次 】

● 相談内容の変遷

● インターネット・ゲーム依存症とは

● 依存症になるまでの過程

● デジタルヘロインによる脳の損傷

● 依存症になりやすい人

● 日本には予防・治療のシステムがない

● まとめ


 

相談内容の変遷

携帯電話の黎明期では、長時間の電話と携帯料金の使い過ぎが主な相談でした。まだメール機能がなく、電話だけなので「仮想世界」とのつながりではなかったのですが、コミュニケーションの希薄さを考えさせられました。本当に些細なことで長時間電話し、携帯料金が12万円になったとの話もありましたね。保護者に携帯電話を折られたそうですが、もともとは保護者が買い与えたもの。「使い方を教えてから買えばいいのに。」と思ったものです。

家の電話と違い個々のコミュニケーションなので、保護者の知らない間に子ども同士で連絡を取り合い、深夜や早朝に集まることもありました。「悪いこと」をするときに使うツールという一面もあったかもしれません。

 料金はパケット制になってからは料金の心配はなくなりました。その反面、どの位の時間を費やしているかの数値が見えにくくなったのです。

 

インターネット機能が充実してからは、保護者に隠れて深夜にPCのネットをつないでHPを見ることが多くなりました。しかし、これはPCを保護者の寝室に持っていくことで防ぐことができました。少なくともこの時期までは防御できたのです。

 

さて、現在の相談は、スマホの使い過ぎが大半です。そして、怖いのは、保護者や本人が知らない間に「深刻な状態」に陥っている事例が多いことなのです。

  

インタネット・ゲーム依存症とは

覚醒剤大麻はなぜ禁止されているのか。また、酒やたばこの年齢制限の理由は何でしょうか。健康を害し、依存の恐れがあるからです。

インターネット・ゲーム依存症の原因物質は「デジタルヘロイン」と呼ばれます。この呼称の通り、強い習慣性をもつのです。

ヒトが興奮すると快感としてドーパミンが産生されます。ネットゲームでは、覚醒剤と同等量のドーパミンが出て興奮をさせます。そのあとに、「ダウンレギュレーション」が起こります。これは、同量をとっても不足感を生じ満足しきれなくなることで、常に刺激を求め量が増えていきます。SNSでも同様です。実社会では難しい「自分の都合の良い関係」を求め続けることが依存を生み、実社会での生活を破壊します。

「依存症」は再発を繰り返す疾患です。インターネット・ゲームの覚せい剤並みの依存性があり、社会的に成功している人をも簡単に破滅させることができるのです。

 

依存症になるまでの過程

最初の変化は睡眠時間の乱れです。次は、リアルな付き合いからを避けることで、家族や友人・知人などとの交流が極端に減ります。現実の課題からも逃避し、やるべきこともやらなくなる。この辺で周囲が気づきはじめますが、すでに手遅れ状態が多いです。社会生活が破綻してしまい、会社や学校、家族友人などから遠ざかる「ひきこもり状態」となり、ネットに没頭する生活が続きます。

この状態でのネットは楽しいからやるのではなく、「やらないと落ち着かないからやる状態」で、些細なことから切れて暴言や暴力をふるいます。

ネットから切り離したとしても、イライラが高まりかえって落ち着かない。それが離脱症状だとは気付かず、またネットに戻ります。そして、依存が長引くほど、現実面で適合できない状態となり、それが自信を失わせてさらにのめり込むという悪循環をつくりだします。

スマホを手放せなくなったら、依存症を疑ってください。早いほど対処が可能です。

デジタルヘロインによる脳の損傷

麻薬中毒者の脳に起きていることが、インターネット・ゲーム依存症の脳にも起こっています。この依存症の本当に怖いことは、脳の損傷、つまり、脳が壊れてしまうということです。脳の神経ネットワークの器質変化を引きおこします。神経系ですから、回復は望めません。 


脳の損傷により、人間が生活する上で必要な共感性や痛みを感じる能力、危険を察知する能力、感情の調整を行う能力、正しい選択をする能力等が低下し、再び回復することが絶望的に困難になるのです。

麻薬依存症の患者の多くが、統合失調症を併発するように、インターマット・ゲーム依存患者も統合失調症を患う比率は非常に高いと判明しています。

 

依存症になるまでの過程で「ひきこもり」になると書きました。「ひきこもり」の人が急に大きなトラブルを起こす場合は、ネット依存症による脳の損傷も考えられます。「ひきこもり」という状態を問題視を問題視する前に、原因を特定して対処する必要があるようです。

 依存症になりやすい人

本人のパーソナリティの特性では、発達特性などの気質的な面と、愛着スタイルや承認欲求、自己愛性など心理社会面がからんできます。

 

気質面では、発達に課題を抱えた人はネット依存になりやすい傾向がみられるそうです。特に、相互的なコミュニケーションが苦手な自閉症スペクトラムの人や、前頭葉におけるドーパミンの分泌が少ないADHDの人は、デジタル空間での刺激にはまりやすい。

心理社会面では、愛着障害や承認欲求、自己愛性が強い人が挙げられます。報酬依存度が高くため、勝つことやクリアすることに熱中するとゲームに、コミュニケーションに重きを置くとSNSに依存していきます。

  

日本には予防・治療のシステムがない

 中国や韓国、アメリカでは、スマホの使用やオンラインゲームに対しての規制や、依存症に対しての治療が行われています。国をあげて取り組んでいるところもありますが、それだもまだ不足だそうです。

翻って日本はどうでしょうか。残念ながら、規制も治療法も確立されておらず、個人の判断に任せられているのが実情です。

ゲーム業界が巨大化しているためでしょうか。課金トラブル対策だけでなく、デジタルヘロイン対策が必要です。

 

 まとめ

インターネット・ゲーム依存症は、スマホが身近にあり規制もされていないため、なりやすく後遺症に苦しめられることが多い依存症です。依存状態では、常にうつ状態に陥り、情緒が不安定、危険なことも鈍感になり、注意力が極端に低下し、最終的には社会生活が破綻します。

韓国や中国、アメリカでは規制があり、治療施設もありますが日本では野放し状態でさらに罹患者は増えると思われます。

本書の288ページから291ページには、ゲーム依存とスマホ依存のチェックリストが載っています。活用して、自分の依存度を数値化してみてください。

 

最後に、保護者にお願いがあります。ヘロインのような依存症が出るものを、安全な使い方をレクチャーせずに、安易に子供に与えないでください。

現状では、国は何もしてくれません。そして、お子さんが依存症なれば、あなたたちも苦しむのです。

 

インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで (文春新書)