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子育て支援が日本を救う (政策効果の統計分析)

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なぜ子育て支援が重要なのかを統計的に実証した本です。

子育て関連本は著者の経験値に基づくものが多い中、数多くのデータをもとに統計的に実証した本です。

著者は柴田悠(しばた・はるか)氏。

お名前から女性だと思っていたのですが、男性でした。

しかも、2017年の双子の誕生時には2018年まで育児休暇を取っていたという、日本では驚かれるような経歴もお持ちです。

 

子育て支援が日本を救う (政策効果の統計分析)

 


【 目次 】


著者 柴田悠(はるか)氏のプロフィール

1978年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。博士(人間・環境学)。

京都大学総合人間学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。

日本学術振興会特別研究員PD、同志社大学政策学部任期付准教授、立命館大学産業社会学部准教授を経て現職。専門は社会学社会保障論(2016年6月14日当時)

2017年5月に双子が生まれ、2018年1月まで育児休業を取得。 著書に「子育て支援が日本を救う(政策効果の統計分析)」(勁草書房)、「子育て支援と経済成長」(朝日新書)など。 社会政策学会学会賞受賞

 

育休を取って双子育児をしていたときの話はこちらでご覧ください。

京大の男性准教授が育休を取って知った“後悔”とは

dot.asahi.com

子育て支援はなぜ必要か

保育サービスを中心とした「子育て支援」は短期な視点から効果が述べられていることが多いのですが、統計分析からそれだけでないことがわかります。長期的効果も認められているのです。

短期的には労働生産性・経済成長率・出生率などを高め、子どもの貧困を減らすことができます。

長期的には、財政的な余裕を増やし、貧困の親子間連鎖を減らし、自死率低下、出生率も向上による高齢化率の低下、社会保障の投資効果を高めることが可能です。

決して子どもだけへの効果ではなく、国民全体へ効果は波及します。つまり、子どもと子育てへの投資は、国全体の経済成長をもたらすのです。

子育て支援について

児童手当だけでは出生率は上がらない

子育て支援について真っ先にあがるのは児童手当でしょう。しかし、著者は、さまざまな研究から、児童手当は出生率にあまり効果がなく、保育の方が出生率の上昇と関連が強いということが分かっていると言います。 子育て期に一時的にお金をもらうより、保育を使うことで自分のキャリアを継続できることのほうが、これからの未来を考えると魅力的なのかもしれませんね。

 

私も結婚や双子の育児で一回キャリアを手放せざるを得ませんでした。その後の苦労は大変なもので(本人は鈍感なのであまり苦労とは思っていませんが・・・)、自己投資のためのお金もかかりました。

当時は児童手当が無い時代でしたが、あったとしても「焼石に水」だったと思います。

必要なのは「労働時間短縮」「高等教育学費軽減」「待機児童解消」

出生率の向上に必要なのは、「労働時間短縮」「高等教育学費軽減」「待機児童解消」だそうです。この3つが効果としてはっきり出てきているので、一つ一つを改善していくといいそうです。

 

労働時間が短くなるということは、時間だけにゆとりが出るわけではありません。親子間を見ていても、時間にゆとりがある方の関係が良いのです。良いコミュニケーションや関係性を築きやすい面があります。未婚の男女間に時間の余裕があり、出会いのチャンスがあり十分なコミュニケーションがとれれば、結婚や出産も増えていくでしょうね。

高等教育学費軽減は地方に住むものとしてはぜひ改善してもらいたいところです。首都圏と地方では大学数が違いすぎ、地方在住者は東京での大学を選ぶことが多いのですが、下宿費を含めての教育費の負担はとても重いものでした。格差がありすぎます。

これらはeラーニングの普及で改善していくと思います。その意味でもeラーニングを普及させていく必要がありますね。

 

待機児童解消はもちろん、兄弟が同じ保育園に通えない事例の解消など、子育てを応援していく必要があります。

読みやすい構成です

統計学の本ですので、社会学などのように著者の考え方はほとんど書かれていません。事実だけを知りたい人に向いています。 また、最初に抜粋部分があり、本書を要約した「あとがき」もあります。大まかな政策名で、政策と結果の相関関係のバックデータもあります。 データとして読みやすさを追究した本と言えるでしょう。

まとめ

子育て支援が重要なのかを統計学で解き明かした本です。 「労働時間短縮」「高等教育学費軽減」「待機児童解消」が重要であることと、

子育て支援により、高齢化、高齢者医療費、少子化、保育などの政策に関する相関関係を示し、他の問題にも良い影響が出ること示しています。最初に抜粋部分があり、本書を要約した「あとがき」もあり読みやすい構成です。