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オンライン教育とオンライン授業の間違ったとらえ方

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学校休校中、3か月間オンライン教育に切り替えました。

以下は、その成果やアンケートからの気づき、オンライン教育に対して大学の先生方と毎週話し合ったこと、業者主宰や研究会・大学院等のセミナーなどから次のフェーズにつないでいくための備忘録です。

 

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【 目次 】


動画に頼り切る授業がなぜ起こったか

 オンライン教育とオンライン授業とは違う

今回の間違いの第一は、この区分けをはっきりとしなかったことです。

本来は「オンラインを使った教育」の中で「オンラインを使った授業」を考えるべきでした。

それをすべてをひっくるめて考えた結果、オンライン授業に使うツールが独り歩きしてしまったのです。

 

オンライン授業の間違った受け取り方

今回、オンライン授業が注目されましたが、多くは間違った解釈をされています。

その最たるものは「動画垂れ流し」です。学習塾でも、通常の授業をZOOMによって流しているだけという事例を聞きました。学校でもZOOMに頼り切ったところもありました。

これらに対して、6月から成果の有無が出てくると思います。

 

一般企業ではすでに実施されている「オンライン教育」 

教育に関するとこのような間違った解釈が出てくるのですが、一般企業ではオンライン教育は既に広く使われています。

会社に勤めている方はご自分の新人教育や、新商品知識の習得の場を思い浮かべてください。現在では、新人教育は入社前にオンラインで済ませておくところが多いでしょう。

 

「ひとりひとりIDを渡し、PDFファイルで覚えなくてはいけないものをオンライン上で配布、中には動画解説もある。クイズ形式で知識定着を確認、レポートをファイルで提出する。進捗状況や成績は管理され、さぼると人事部からメールがくる。」

この形です。

もうすでに多くの企業では採用されていますね。反対に、新人教育が「動画垂れ流し」で評価基準も無かったら、それこそ「人事部は何をやっているのだ」と大問題になるでしょう。

 

本来は教育も同じ形をとったほうが良いのに、なぜか、動画重視になります。

 

オンラインツールに注目した勘違い

ここで、致命的な勘違いがありました。

オンラインツールだけに特化して考えたため、Youtubeや ZOOMだけが注目を浴びてしまったことです。

 

オンライン授業=動画ではありません。動画もその一つですが、授業を「みんなで同じ場で受けるもの」のみと勘違いするとZOOM。それを録画して後から見ることができるという働きを加味すると動画全般を指してしまうようです。

 

ツールを活かしきれていない

オンライン授業の利点は双方向であることです。実際に、ZOOMは会議でよく使われてきました。会議は一方通行でなく、双方向なものです。(そうでない会社もあると思いますが・・・)

ZOOMで動画を流しっぱなしの授業は双方向という利点を活かしていません。

「ただ見るだけならばテレビでいい」とはセミナーで出た言葉ですが、まったくもってその通りです。

 

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オンライン教育の形

本来は、

① 授業設計がしっかりとなされていること

② 評価方法や評価基準ができていること

③ ラーニング マネージメント システム(LMS)で、進捗状態や成績を管理すること

④ LMS上に非同期型教材を置き、いつでも自学ができるようにすること(ファイルのやり取りもできることが望ましい)

⑤ ①②③④があることが前提で、同期型授業を行い、みんなの意見を聞いたりセッションして新しい考えを導いたりすること。そのうえでレポート提出などを④でできるようにすること。

⑥ かならず事後評価をすること

⑦ 評価後、未到達の場合は復習できる過程があること

 

であり、オンラインを介するものは③④⑤です。しかし、④はオンラインでなくともよく、プリントや通信教育のようにレポートでも構いません。その場合は、LMSと連動させ、進捗状態や成績がわかればいいのです。

 

評価も定期テストだけでなく小テストで単元ごとの成績を見ることも可能です。

教育関係のオンライン授業はこのうちの⑤だけ取り上げているものが多かったと思います。

膨大な宿題を出すことで④もできているかというと、疑問です。

そもそも、評価基準があって出されているか、成績管理ができるのか、そして、とても大切なことですが「自学できること」を前提としているかです。宿題として知識問題を出すならば「自学できる」が大前提です。考えるもの(探求学習)とは違います。

今回は各学校とも予習を含めて出していたことが多かったので、自学は厳しかったでしょう。

 

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オンラインよりも、オンデマンドと考える

オンラインによるというツールで考えるのではなく、目標をどうすえるのか、そのためにどのように授業を提供するかで考え、その中でオンラインというツールをどのように使っていくか、と考えるべきでした。

 

また、今回は動画が主になった感がありますが、主役は受講者:児童生徒です。

受講者のリクエストに応じるオンデマンド学習がオンラインでやりやすい学習方法でしょう。

オンデマンドとは、「要求に応じて」という意味で、利用者の要求に応じてその都度サービスを提供する方式です。

オンライン授業にこだわるのではなく、受講者が学習しやすいようにオンラインを使ったオンデマンドにすれば、オンラインの良さが活かせたのではと思います。

 

まとめ

3か月間の休校時にオンライン授業がもてはやされましたが、オンラインをツールとしてうまく使えていないのが印象的でした。理想は、LMS(ラーニングマネージメントシステム)を使ったオンデマンド(受講者のリクエストに応じられるもの)です。