休校の影響で学校の夏休みが極端に少ないなか、エアコンの整備が間に合わない学校や、長時間の特訓を組む塾など、ありえない事態が上がってきています。
子どもが疎かになるのはプランを立てる側と子どもをもつ側の乖離が原因です。教育業界は、今年こそ子どもの夏の安全を確保すべきです。
【 目次 】
1. 今年の夏休みはきつい
①期間が短い
各自治体の教育委員会から、今年の夏休みの期間が発表されました。大体10日間程度というところが多いようです。
当地では、8月7日金曜日に1学期の終業式、8月17日月曜日から2学期の始業式です。つまり、お盆の期間だけ休みになります。
②猛暑です
今年の夏は猛暑だそうです。そこで気になるのが、学校の冷房設備。
近年の気温上昇から、冷房を入れている学校が増えてきました。近隣の小学校では昨年度入っていますが、現時点で中学校にはまだ入っていません。
正確に言うと、エアコンはあるのですが電源とつながっていないそうです。(苦笑)
まだ工事ができておらず、工事終了が7月末になるとのこと!
これぞ、「リアル絵に描いた餅」ですね。
つまり、生徒たちは7月末まで1日の大半を冷房なしで過ごさなくてはいけません。
皆さんの会社ではいかがでしょうか。いまどき、冷房設備のない会社など考えられないと思います。そんな会社は誰も就職しないですよね。
しかし、全国の大半の小中学校では、エアコンのないことが常態化しています。
③マスクが暑い、暑すぎる!!
6月時点で、マスクをしているとかなり蒸れて暑いという声が上がっています。これが猛暑の時期だったらどうでしょうか。熱中症になりやすくなります。
①②③から考えて、子供たちにとって今年の夏はとても危険な状態です。
2. 塾の夏期講習
①びっくり仰天 夏期講習105時間特訓だってよ!
いつも中3の100時間一斉授業特訓で売っている大手塾があります。その広告が先週入ってきました。なんと今年は105時間だそうです。
春の学校休業を考慮してとは予想できますが、子どもたちの健康を考えているのか、怒りがこみ上げてきました。
学校の夏休みが少ないのにどのような日程を組んでいるのか気になり、広告を見ながら何回も計算し直しました。
例えば30日間全てやるとしても、1日あたり3.5時間を30日間やらなければ、105時間になりません。ましてや、今年の学校夏季休業期間は10日間だけです。そこを狙ったとしても10.5時間×10日間ですよね。どのような授業組みをしているのか?
同様に、知人の塾は、お盆の休み期間つまり8月11日から16日までもびっしりと入れています。
塾側は「やる気満々」をアピールしていますが、子供たちの健康を考えたことがあるのでしょうか?
学校でかなり体力を消耗し、夜に塾に行き体力を消耗し、暑さもあってこのままだと過労死も予測できます。
②新規入塾生が欲しい
学習塾にとって、3月からのコロナによる休校は非常に痛いものでした。
ほとんどの塾では3月入れ替えになりますが、休校や自粛期間と重なったため新規募集ができませんでした。同様に、4月からの新学期募集も出来ませんでした。
また、学校の夏休み中期間の減少で、夏期講習時間が取れません。講習売り上げは塾の生徒数に比例しますので、塾生がうまく集められなかった今年は特に厳しくなるでしょう。
だからこそ、集客できるときにしておきたい。しかも、たくさん来てほしい。
しかし、子供たちに全く夏休みを与えないで学習を詰め込んで、どうなるというのでしょうか。弊害しか考えられません。
③子どもの鬱や自殺が増える
このままいくと秋口に、特に受験生は燃え尽き症候群になるでしょう。当然、うつ病を発症する子たちも増えると思います。自殺も増えます。
今の中学生・高校生は大変忙しい生活を送っています。
朝6時過ぎには家を出て夜7時位に戻ってくる。(高校生になると午後9時までもあります。毎日11時間超の拘束です。部活は土日もあり、家に帰ってからもう宿題があります。
サラリーマンが法定労働日以外も働き、毎日残業、プラス家で持ち帰りの仕事してることと等しいのです。
暑い中、全く休みがない状態で働いたら、体だけでなく精神がおかしくなりますよね。
3、オンラインの必要性
①オンライン技術などの勉強は必須
休校期間中、危険を承知で対面授業を続行したところと、オンライン授業のにシフトしたところに分かれました。オンラインでも、成功したところで失敗したところがあります。この分かれ目は、授業の組みやオンラインに対して、学習をしてきたか否かが原因です。
YouTubeやスタディーサプリ等で動画配信も増えてきており、対面授業のニーズは少なくなっています。常日頃から危機感を持って臨んでいたら、オンライン授業のなんたるかを探ってきたでしょう。今の今まで勉強をしてこなかったこと自体が、危機感がないことの裏返しです。
また、塾業界で「俺の授業は世界一!!だから俺は対面授業を優先する」をよく聞きますが、それは「人に頼り切った、属人的な授業」にすぎません。
弊社の事業パートナーである会社は「経営上でいちばんしてはいけないこと」と切り捨てました。
まったく同感です。
②コロナ第2波は必ず来る
我々は毎年のインフルエンザ流行の怖さを知っています。感染源は学校や習い事の場で、本当にあっという間に伝播します。ここに、感染力が強いコロナウイルスが混じっていた場合、その感染スピードはすさまじいものになるでしょう。
コロナウィルスは平均気温が22度以下になると急激に感染しやすくなるというデータも出ています。
つまり、秋から冬ですね。
学校や習い事の場をウィルスを撒き散らす原因にしてはいけません。
4、女・子どもをなめていませんか
①塾業界は男尊女卑、だから母親をバカにする
学校では女性の校長もだいぶ広まって、女性の管理職も増えてきました。しかし塾業界は、昔から男尊女卑で男性が上位の業種です。
この地域に何人か女性の塾長がいますが、ほぼ全員同業者からモラハラあるいはパワハラの被害を受けています。具体例をあげましょう。
ある女性塾長は、大手塾のエリアマネージャー経験者です。その経歴が生意気で気に食わないと、ある男性塾長が自分のブログで実名を出して散々中傷しました。
また他の女性が経営する塾の前で、男性塾長がシュプレヒコールを繰り返して嫌がらせをしたこともあります。彼女の呼称は「あのアマ」でした。
弊社でも、男性非常勤講師を軟禁して弊社の生徒人数やどのような指導をされているのかというのを聞き出そうとした男性個人塾の塾長がいました。嫌がらせは数年続いたのです。
このように女性に対して、男尊女卑がまかり通っているのが塾業界です。
ですから、女性、つまり母親に対してはマウントをかけます。「母親は馬鹿だから」と言い切る男性講師もいるのです。
しかし、今の女性は学歴の高い方も多い。現に、私の友人にも東京大学卒業の博士もいますし、大学院を出ていらっしゃる方も多くなっています。
相手の学歴も職歴も考慮せず、ただ女性というだけでマウントをかける姿勢はいかがなものでしょうか。
弱者へのマウントは子どもに対して無理を言う要因にもなっているのではと思います。
②子育て経験者をマネージャーに
自分が全く子供を育て経験がなければ、親や子どもの大変さがわかりません。
ただ、子どもがいるだけではなく、自分が主体的に子育てに参加した人がマネージメントすることを願います。
そういうマネージャーならば、このような夏の事態で、夏期講習105時間特訓などアホなことは考えないはずです。
③自分の生徒が強面のおっさん達なら、パンツの色は調べない
中学校で女子の下着調べがあることが話題になったことがあります。
もし自分の生徒がみんな強面で身長180センチ以上の成人男性ならば、いかがでしょうか。「下着を見せて」という要求はしないでしょう。
これらも、相手が子供だから文句は言わせないという驕りがあるからだと思います。
④顧客ファースト
本当に顧客である子どものことを考えていたら、「短時間で効率よく理解してもらうこと」に真剣に取り組むはずです。そのためには、今までの自分の経験値を捨て、自分が苦労してもいい、お金がかかってもいいと真剣に顧客のために頑張ります。
「自分はこんなに苦労しているんだ」という姿勢は、まだまだ甘い。結果でなく経過を重視しているからです。
まとめ
今年の夏は、学校の夏休み期間が短い上に猛暑が予想されます。ここで無理をさせると子供たちの2学期が危ないので、無理をさせずに効率の良い学習をさせる塾を選んでください。
また、自分の子供の体調が不安だったならば、どんどん休ませていいと思います。