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学力の基礎体力をどうつくるか

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昨日、学会の第二回オンライン研修が終了しました。

レポート2本の作成の真っただ中でしたが、なんとか時間をつくって参加、有意義な研修を受けることができました。

 

先日も、成人した方から「右と左が瞬時にわかりにくくて迷う。」との話を伺ったばかりなので、今回の身体とのかかわりの事例はとてもためになりました。

これからも、多くの方のお役に立ちたいと思います。 

 

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保護者の多くが悩む「我が子の学力」

「うちの子漢字が書けないんです。毎日ドリルを何ページやらせればいいですか?」

「反復学習が不足しているのでしょうか。漢字をすぐに忘れてしまうんです。」

「家庭教師の先生に来てもらっているのですが、うちの子はすぐにひっくり返ってしまって、やろうとしないんです。高いお金を払っているのに・・・」

「ローマ字が覚えられなくて、小学校3年生の時はとても苦労しました。4年生でもローマ字があるので何とかしてしたいのですが・・・」

 

ここ数日間に寄せられたお悩みです。

これらの原因は何だと思いますか?

理解するまで学習をすればいいのでしょうか?

それとも、ドリルを延々と繰り返す?

家庭教師の会社に言って他の先生に代えてもらう?

 

いいえ、違います。

これらは学力の前段階ができていないために起こっています。

ですから、学力の基礎体力をつける必要があるのです。

 

基礎体力なしで運動はできない

 学力の前段階と聞いても、よくわからないと思いますが、これをスポーツに置き換えてみるとわかります。

 

例えば、マラソン

初心者にいきなり42.195kmを走らせるでしょうか。

走り方を教える前に、基礎体力をつけるでしょう。

いきなりマラソンに挑ませたら死んでしまうかもしれませんよね。

 

サッカーやテニスなどの球技もそうです。

基礎体力をつけてから競技の内容を教えていきます。

 

学力の前段階

形を認識する力や、短期的に覚える力などの学力の前段階は、学校ではあまり関与しません。

これが大きな問題なのですが、今の学校制度では教えている時間がありません。

ご家庭に任されるわけです。

しかし、保護者がそれらの方法を知っているとは限らない。

いや、知らない方の方が多いと思います。

幼児教育に取り組んでいるご家庭や、一部の幼児施設のみがそれらを行ってきています。

ですから、多くのご家庭では、ご自分のお子さんが学力的についていけなくなったときに気付くのです。

認知の歪みとは

学力の前段階とは、認知能力のことを指します。

この認知に歪みがある場合は、学力に影響があるだけでなく、社会性や運動面でもマイナス要因が生じていることが多いのです。

 

「あれ?この子は認知の歪みがひどいな。」と思って保護者に尋ねると、認知の歪みが原因で学校でいじめに遭っていることがあります。

「この子はどんくさいので」と言われることが多いのですが、どんくささの原因を見てみることが大切です。

 

また、小学校のうちは歪みが小さくても、年を経るにしたがって歪みが大きくなることもあります。その場合は、正常な社会生活ができなくなる。

トラブルメーカーとなり、人も離れていきます。

知的障害まではいかないグレーソーンの人たちです。

 

少年院や刑務所では、このようなグレーゾーンの人が多いのはエビデンスが出ています。虐待よりもいじめを経験している方がはるかに多い。これも、エビデンスが出ています。

 

いじめや虐待を経験する子どもたちの多くは認知の歪みがある。それが原因で被害者になることが多い。

だからこそ、このようなグレーゾーンの子どもたちの認知の歪みを取り除いていく必要があるのです。

弊社では、本気でこれに取り組んでいます。

 

 

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問題提起

 今回の研修でもいくつかの問題提起がありました。

視覚に頼りすぎる子どもが多い

 情報を取り入れるときには視覚か聴覚からが多いでしょう。

視覚が聴覚よりも大幅に秀でています。

しかし、視覚に頼りすぎると固有感覚を確立できません。

 

※固有感覚とは、体の動きに関する情報を伝えてくれる大切な感覚です。

関節や筋、腱の動きを検出する、体の位置や動き、振動や力に関する感覚を指します。

短期記憶が弱い

黒板を写すことができない、または一字一字でなければ写せない子どもが増えています。(一字読みといいます。)

文節ごとに覚えながら写せば意味も理解できるのですが、 一字読みは文字を記号として写しているだけなので、理解できません。

短期記憶が弱いのです。

三角形が描けない

図形問題が苦手な子どもは三角形が描けないことが多いのです。

経験から10年ほど前からわかっていましたが、なぜかがわかりませんでした。

三角形を描くためには中心の線である正中線が必要です。この正中線が描けない、獲得されていないということは、自分の軸がしっかり持てていないそうです。

 

 

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今後の課題

学会の先生方は本当に真摯に取り組んでいらっしゃり、注文はつけたくないのですが(笑)、しかし、急ぐのがアセスメントです。

悩む親子を多くみてきたため、焦ってしまいます。

アセスメント

アセスメントは本当に難しいとのことです。

まず症例を集めて分析をしなくてはならないのですが、症例だけでも数万単位を集めないと基準値を導けません。

現在はまだ症例が数千なので、少なくとも1年はかかりそうとのことです。

数が多いので、集めた後の分析もかなり大変そうですね。

また、基準値を決めても例外も出てきます。基準の境目をどうするかも難しい問題です。

個人個人にどう向き合うか

同じ「漢字が覚えられない」 でも、短期記憶が弱いのか、形の認識ができないのかで使う教材が違ってきます。

「あれ?この教材はこの子に合ってないかも・・・」と、感じることもあります。

教える側の勘や経験だけでは到底無理で、子どもや親との連携も欠かせません。

個人個人に向き合うということは、かなり手間のいる作業となるということです。

これは本当に苦労します。

 

学校教育に組み込みたい

できれば毎日やれる環境が欲しいですね。

九九の暗記は一か月に一度ではできません。同様に、認知の歪みをとるのもできれば毎日が望ましい。

そうすると、週1回や2回の場を提供する塾よりも、学校の方が向いています。

学校に対してどうアプローチしていくかが課題となります。

 

まとめ

 学力・社会面・運動面の認知の歪みをとることは、子どもたちの才能を伸ばし、正常な社会生活をおくらせることにつながります。

アセスメントが待たれますが、今できることをしていきたいと思っています。