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ひとり暮らしハンドブック 巣立ちのための60のヒント

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「ひとり暮らしハンドブック 巣立ちのための60のヒント」は、2010年に出版された、児童養護施設の卒業者のための本です。

古いかな?と思ったのですが、内容がとてもよく、児童養護施設の卒業者以外の方たちに役立つ本なので、制作団体である「ブリッジフォースマイル」の活動とともにご紹介します。

 

 

ひとり暮らしハンドブック 巣立ちのための60のヒント

4つの章からなっています。

お金と生活

生活かかるお金にはどれがあるか、何にいくら使うかなどの基本的なことから、税金などの社会制度として支払い義務のあるお金、社会保険の仕組みなどが載っています。

また、陥りやすいカードの借り入れについての注意や悪質商法などもあり、役立ちます。

 

住まいと健康

一人暮らしで大切なのが健康ですよ。まず普段の生活をしっかりするためにどんな部屋を借りたらいいか、契約や引っ越し、防犯のような住まいにかかわる事があります。常備薬や自炊の仕方、特に無理しない自炊生活の方法は秀逸です。避妊のことまで載っています。

 

働く

会社の種類から、自分に向いている仕事はなにか、情報収集や履歴書の書き方や面接等が載っています。労働基準や解雇等にも言及しているので、巣立った後にすぐ就職をしなくてはならない社会的養護の方にはとても役立つでしょう。

コミニケーション

身だしなみなどのマナーや、お付き合いでの注意点の他に、冠婚葬祭のことも載っています。

 

購入方法

アマゾンでも取り扱っていますが、今は新品がなく中古品だけになっており、中古価格をかなり上がっています。

ブリッジフォースマイルのサイトから注文した方がいいと思います。

 

ブリッジフォースマイルとは

パソナグループの中にブリッジフォースマイルというNPO法人があります。児童養護施設から社会に巣立つ皆さんをサポートする団体で、2004年に設立され、2005年6月に法人成りしています。

 

ブリッジフォースマイルの活動紹介

巣立ちプロジェクト

活動は、一人暮らしの準備をサポートする活動です。養護施設からの巣立ちを控えた高校3年生や自立援助ホームの子供たちを対象に、約6カ月間社会人ボランティアがセミナー形式で一人暮らしに向けてのレクチャーをしていきます。セミナー出席で貯まるポイントで、自立後の生活用品等と交換することができる、お得なプロジェクトです。

 

出張セミナー

ブリッジフォースマイルのメンバーが児童養護施設に出かけていき、施設内でセミナーを実施します。中学生から高校生の早い段階で、自立に向けた意識や関心を高めていくことが可能です。

 

インターンシップ・ジョブプラクティス

中高生の職業体験で、仕事への関心や意欲を高めることを目的とした職業体験をしています。児童養護施設出身の方たちは、施設から巣立った後すぐに働かなければいけない人たちがほとんどです。ですから早いうちに仕事について知ることは大切ですね。

 

アトモプロジェクト

児童養護施設を退所した人たちが月一回集まって交流するイベントです。親族からのサポートがなく孤立しがちな児童養護施設出身者が頼れるような組織です。

 

スマイリングプロジェクト

退所者の住まいを支援するものです。初めての自活にわからないことばかりで困ったり、孤独感を抱えたりする女性向けのシェアハウスを運営しています。

 

さすがパソナグループ、活動に感心します。

社会的養護退所者へのサポートが必要なわけ

家庭との知識量と質の差

私の今サポートしてるシングルマザーさん、最初は養護施設などの社会的養護出身ではないと思っていました。

彼女から「社会的養護ってなんですか?」と聞かれて説明したら、人生のほとんどを社会的養護で過ごしてきた人でした。

その言葉自体を知らなければ、区別がつかないものね。(笑)


家庭虐待の方もたくさん見てきましたが、社会的養護の方との違いは「日常生活で必要とされる知識量と質」です。

たとえ機能不全でも、家庭で育っていれば知っているだろうことを社会的養護の方は知りません。

当然知っていることを知らないのです。これは、普段接している「情報の質の差」からきています。

彼女には、「よく騙されないで生きてこれたね。」と伝えました。

社会に出てからどのように暮らしていくのかに本当に無防備で、これはとても苦労したのだろうなと思いました。

 

たとえば、児童養護施設では食事はついてきます。

でも、そこで料理を教わったり料理をしている人を見ることはできません。

そのため、料理の仕方もわかりません。

親がおらず教えてもらっていないので、youtubeなどで作り方を学習しています(これ、本当に健気で感動します)が、そもそも料理の名前がわかってない。

ですから、彼女とメールでやり取りするときは、??が多かったです。

 

保証人が立てられず、住居がない

携帯の契約をしたり住む所の契約をしたり、入院などには親族の保証人が必要です。通常は親や親族が保証人になります。

もし親によって虐待があったとしても、祖父母や大人の兄弟がいれば保証人なってもらうことができます。

「祖母や妹に賃貸契約の保証人になってもらった」ということもできるのです。しかし、社会的養護の方たちは、家族からのサポートがないためにそれができません。

 

そのために、サポートしているシングルマザーさんは、去年の冬まで住居の契約ができませんでした。会社の事務所に毛布1枚で寝ていたそうです。

「それに慣れちゃった」と聞いたとき、私は涙が止まりませんでした。

 

まとめ

 「ひとり暮らしハンドブック 巣立ちのための60のヒント」は、児童養護施設を巣立つ方のために書かれた本ですが、一般の方にも役に立つ良書です。